作業療法士が円満退職する方法は？注意点やポイントを紹介

今の職場を辞めたいけど、できるだけ円満退職したい。
角が立たないような退職理由には、どんなものがあるかな？

退職を検討している作業療法士は、このように悩むこともあるでしょう。

そこで本記事では、作業療法士が円満退職する方法を解説します。
円満退職する際の注意点やコツも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

作業療法士が円満退職するための退職理由
作業療法士の一般的な退職時期と転職時期
作業療法士が円満退職する伝え方のポイント7選
まとめ

作業療法士が円満退職するための退職理由

作業療法士が円満退職するための退職理由は、以下の通りです。

キャリアアップしたい
他の領域にチャレンジしたい
家庭の事情で退職したい

退職理由に悩んでいる方は、この章の内容を参考にしてください。

キャリアアップしたい

キャリアアップを理由とした退職は、多くの医療機関で理解が得られやすい退職理由の一つです。

作業療法士としてより専門的なスキルを身につけたい、認定作業療法士や専門作業療法士の資格取得を目指したい、大学院で研究活動をしたいなど、具体的な目標を示すことで、前向きな退職理由として受け止められます。

また、リハビリテーション部門の管理職を目指したい、より規模の大きな医療機関でのキャリアを積みたいという理由も、専門職としての成長を目指す姿勢として評価されるでしょう。

退職時には、これまでの経験に対する感謝を伝えつつ、今後のキャリアプランを明確に説明することで、円満な退職につながります。

退職時には、将来的な再就職や協力関係の可能性を考慮して、良好な関係を維持することも重要です。

他の領域にチャレンジしたい

他の領域へのチャレンジは、作業療法士としての専門性を活かしながら新たな分野に挑戦したいという意欲的な退職理由として捉えられます。

例えば、急性期から回復期、生活期へのステージ変更や、身体障害分野から精神障害分野への転換、小児分野への専門特化など、具体的な希望を伝えることで理解を得やすくなるのです。

また、訪問リハビリテーションや福祉用具関連企業、行政機関など、作業療法士の活躍の場が広がっていることも、説得力のある理由となります。

作業療法士が活躍できる場所は、以下の通りです。

分野	場所
医療	総合病院、リハビリテーション病院、精神科病院、クリニックなど
介護	デイケア、デイサービス、介護老人保健施設、訪問リハビリテーション、訪問看護ステーションなど
福祉	放課後等デイサービス、児童発達支援センター、就労移行支援事業所、生活介護事業所など
保健	地域包括支援センター、保健所、精神保健福祉センター、地方自治体など
教育	特別支援学校、教育委員会など
労働	ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、地方自治体など
司法	刑務所、医療刑務所、保護観察所など

参考：日本作業療法士協会パンフレット

退職時には、現職場での経験が新たなチャレンジの基盤となることを説明し、サポートしてくれた同僚や上司への感謝を伝えることで、良好な人間関係を保つことができます。

家庭の事情で退職したい

家庭の事情による退職は、多くの医療機関が配慮を示してくれるでしょう。

育児や介護、配偶者の転勤、実家の事業継承など、避けることのできない私的な理由であることを丁寧に説明することが重要です。

特に、家族の健康問題や介護の必要性など、緊急性の高い事情の場合は、早めに上司に相談してください。
早めに相談すると、引き継ぎ期間や退職時期について柔軟な対応を検討してもらえます。

ただし、退職時に嘘をつくとバレるリスクがあるため、退職理由はできるだけ正直に伝えましょう。

嘘をつくことだけはNGです！
あとで自分で自分の首を絞めることになりますよ。

作業療法士の一般的な退職時期と転職時期

続いて、作業療法士の一般的な退職時期と転職時期について解説します。

ボーナス支給後
年度末や1年の節目
求人が多い時期

それぞれ見ていきましょう。

ボーナス支給後

ボーナス支給後の退職は、経済的なメリットを最大限に活かせる退職時期として多くの作業療法士に選ばれています。

ほとんどの医療機関では、夏季ボーナス（6月〜7月）と冬季ボーナス（12月）の年2回の支給があるでしょう。
ボーナス支給後に退職することで、退職金と合わせて経済的な基盤を整えられます。

ただし、ボーナス支給直後の退職は、医療機関側から見ると人件費の負担が大きくなるため、退職時期については配慮が必要です。

一般的には、ボーナス支給から1〜2ヶ月程度の期間を空けて退職することで、医療機関側の理解も得やすくなります。

また、次の就職先が決まっている場合は、ボーナスの支給時期を考慮して、前後の医療機関との調整を行うことも重要です。

年度末や1年の節目

年度末や1年の節目での退職は、医療機関の人事計画に合わせやすく、円満な退職につながりやすい時期です。

特に3月末は、新年度の人員体制を整える時期と重なるため、医療機関側も新たな採用計画を立てやすくなります。

また、4月からの新入職員の入職に合わせて引き継ぎができ、業務の継続性を維持しやすいというメリットもあります。

12月末など1年の区切りの時期も、医療機関の会計年度や業務の区切りと合致するため、退職時期として選びやすいです。

ただし、これらの時期は退職者が集中しやすいため、早めに退職の意向を伝え、十分な引き継ぎ期間を確保してください。

私は年度末に退職する予定でしたが、引き継ぎの関係で5月末に退職しました。

求人が多い時期

求人が多い時期を狙った退職は、次の就職先を見つけやすいというメリットがあります。

作業療法士の求人は、一般的に4月の新年度開始に向けて1月頃から増加し始め、2月から3月にかけてピークを迎えます。

また、10月頃にも中途採用の求人が増加する傾向があるのです。

このような求人が多い時期に合わせて転職活動することで、より多くの選択肢の中から希望に合った就職先を見つけられます。

ただし、求人の多い時期は競争も激しくなるため、資格や経験年数、専門性など、自身の強みを明確にアピールできる準備を整えておくことが重要です。

作業療法士が円満退職する伝え方のポイント7選

最後に、作業療法士が円満退職する伝え方のコツを7つ紹介します。

直属の上司に1対1で伝える
退職する3ヶ月前には伝える
退職の相談ではなく報告形式にする
職場の不満は言わない
退職理由をポジティブに変換する
丁寧な引き継ぎをする
感謝を伝える

退職を検討している方は、ぜひ参考にして円満退職しましょう。

①直属の上司に1対1で伝える

退職の意向を伝える際には、まず上司に面談のアポを取りましょう。

「個人的なご相談があるのですが、お時間をいただけますでしょうか」などと声をかけ、落ち着いて話ができる時間と場所の確保を依頼します。

急な相談は避け、上司が十分な時間を確保できる日時を選ぶことが重要です。

時間がないからと、メールや置き手紙で退職の意向を伝えると、誠実さに欠けると判断されるかもしれません。

そのため、退職する際は直属の上司に1対1で伝えるようにしましょう。

面倒くさがらずに、1対1で話しましょう！
緊張はしますが、一瞬だけ頑張ればあとで楽になりますよ。

②退職する3ヶ月前には伝える

作業療法士は医療専門職であり、後任の採用や引き継ぎには十分な時間が必要です。
そのため、病院や施設運営に配慮し、退職する旨を3ヶ月前には伝えましょう。

早めに伝えることで、患者さんの治療計画の調整や、必要な書類の準備も余裕を持って行えます。

また、職場側は、後任者の募集から採用、引き継ぎ期間を設けることも可能になるのです。
後任者の募集期間や引き継ぎ期間があることで、職場側も計画的な人員配置を検討でき、患者さんへのサービスの質を維持できます。

退職する旨を早めに報告すれば、専門職として責任ある態度として評価されるでしょう。

③退職の相談ではなく報告形式にする

退職の意思を伝える際は、すでに十分に検討を重ねた上での決断として、明確に伝えることが重要です。

「退職を考えているのですが…」という相談的な言い方ではなく、「一身上の都合により、◯月◯日付けで退職させていただきたく思います」といった、はっきりとした意思表示をしてください。

これにより、上司側も状況を正確に理解し、必要な対応を取ることができます。

ただし、断定的な言い方や高圧的な態度は避け、謙虚で誠実な姿勢を保ちながら伝えることが大切です。

④職場の不満は言わない

たとえ退職の背景に職場環境への不満があったとしても、上司や同僚に伝えないようにしましょう。

不満を口にすることは、その場の雰囲気を悪くするだけでなく、将来的な人間関係にも影響を及ぼす可能性があります。

医療業界は狭く、今後も何らかの形でつながりが生まれる可能性があるでしょう。
そのため、退職時には職場の不満を言わないでください。

⑤退職理由をポジティブに変換する

退職理由は、将来の成長やキャリアアップなど、前向きな表現で伝えることが重要です。

例えば、「別の分野でスキルを伸ばしたい」「より専門性を高めたい」「新しい環境でチャレンジしたい」といった表現などをします。

詳しい内容は、以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

⑥丁寧な引き継ぎをする

患者さんの治療の継続性を保つため、詳細な引き継ぎ資料を作成します。

患者さん一人ひとりの状態や治療計画、注意点などを明確に文書化してください。
また、定期的なカンファレンスで情報共有を行い、後任者や他のスタッフが円滑に業務を継続できるよう配慮します。

特に長期的なリハビリテーション計画がある患者さんについては、より詳細な引き継ぎが必要です。
他にも、日常業務の細かな手順やコツなどを文書化しておくと、上司や同僚に誠意を見せられます。