今の職場って残業が多いのかな?残業を少なくする方法が知りたい!
このように思っている方もいるでしょう。
作業療法士(OT)の平均残業時間は、約5時間です。
毎月5時間以上残業している方は、平均よりも残業時間が長いということになります。
本記事では、残業が少ない職場の特徴も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
作業療法士の残業時間は長い?
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、作業療法士の1ヶ月あたりの平均残業時間は5時間です。
全業種の残業時間は平均13時間であるため、他の職種と比較して作業療法士の残業時間は少ない傾向にあります。
ただし、このデータは「残業として申請した時間」ということに注意しましょう。
そのため、実際には申請できていない残業がある作業療法士もいるかもしれません。
私が作業療法士だった頃の毎月の残業時間は、5時間前後でした。
残業した分はしっかりと申請していたため、ホワイトな職場だったと思います!
作業療法士が残業する理由は?
続いて、作業療法士が残業する理由を見ていきましょう。
- 業務中に書類作成が終わらないから
- 時間外に会議があるから
- 時間外に勉強会があるから
- 実習生の指導があるから
それでは1つずつ解説します。
業務中に書類作成が終わらないから
作業療法士の中には、業務中に書類作成が終わらずに残業する方もいます。
作業療法士は、患者様一人ひとりの詳細な評価記録、実施記録、経過記録などを正確に記載する必要があります。
特に、医療保険や介護保険の請求に関わる書類は、細かな規定に従って作成しなければなりません。
日中は、患者様のリハビリに時間を費やすため、書類作成の時間が十分に確保できないことが多々あります。
また、多職種連携に必要な情報共有のための書類作成や、リハビリテーション実施計画書の作成なども必要です。
さらに、患者様の状態変化に応じて書類を修正・更新する必要もあり、予定外の書類作成業務が発生することもあります。
これらの書類は正確性が求められるため、焦って作成することはできず、結果として残業することになるのです。
診療報酬に関する書類にミスは許されないですよね…!
時間外に会議があるから
時間外に会議があることも、作業療法士が残業する理由の一つです。
作業療法士は、多職種連携のチーム医療において重要な役割を担っています。
そのため、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカーなど、さまざまな職種との会議に参加しなければいけません。
これらの会議は、各職種のスケジュールを調整する必要があり、必然的に業務時間外に設定されることが多くなります。
特にカンファレンスや症例検討会は、患者様の治療方針を決定する重要な場であり、参加が必須です。
また、退院支援カンファレンスでは、患者様やご家族との時間調整も必要となり、夕方以降に設定されることも少なくありません。
時間外に勉強会があるから
職場によっては、時間外に勉強会を実施していることもあります。
作業療法は、医療技術の進歩や社会のニーズの変化に応じて、常に新しい知識や技術の習得が求められる分野です。
そのため、定期的な勉強会への参加は、専門職としての能力維持・向上のために必要不可欠となります。
しかし、日中は患者様のリハビリに時間を費やすため、勉強会は必然的に業務時間外時間に設定されるでしょう。
また、外部講師を招いての研修や、他施設との合同勉強会なども、参加者の都合を考慮すると夕方以降に開催されることが一般的です。
さらに、新人教育や症例検討会なども、日常業務に支障をきたさないよう時間外に設定されることが多くなっています。
残業はしたくないけど、自己研鑽のために勉強することは大切ですよね。
実習生の指導があるから
実習生の指導も、作業療法士の重要な責務の一つです。
しかし、実習生の指導のために残業している作業療法士も中にはいます。
実習生は作業療法士になるために、臨床現場での実践的な指導を受けるのが不可欠です。
作業療法士は、日中に実習生と共に患者様の治療をしながら、実際の臨床場面での指導をします。
しかし、患者様の治療時間を確保しながら十分な指導時間を設けることは困難です。
そのため、業務終了後に実習生との振り返りや、翌日の治療計画の確認、レポートの添削指導などを行う必要があります。
また、実習生の学習進度や理解度に応じて個別の指導時間を設けることも必要で、これらは通常の業務時間内では収まりきらないことが多くあるのです。
さらに、実習生の評価表作成や、養成校との連絡調整なども必要となり、これらの業務も時間外に及ぶことがあります。
私は、実習生を2人持ちしている時期がありました。
その際は、フィードバックの時間を設けることが難しく、残業することもありました。
残業が少ない職場の特徴
ここからは、残業が少ない職場の特徴を解説します。
- 書類作成の時間が確保されている
- 業務中に会議や勉強会を行っている
- 通所系・訪問系の職場である
それでは1つずつ見ていきましょう。
書類作成の時間が確保されている
残業の少ない職場では、書類作成時間を業務スケジュールの中に明確に組み込んでいます。
例えば、患者様1名に対して45分の治療時間があれば、その内の30分を治療に、15分を記録作成に当てるといった具合です。
また、週間スケジュールの中にまとまった書類作成時間を設定し、報告書や計画書作成に充てる時間を確保しています。
さらに、書類作成の効率を上げるため、テンプレートの活用や電子カルテの機能を最大限に活用しているのも特徴です。
管理者が書類作成の重要性を理解し、必要な時間を確保することを推進している職場では、時間内に業務を終えることができるでしょう。
そして、結果として残業が少なくなっています。
業務中に会議や勉強会を行っている
効率的な時間管理を実践している職場では、会議や勉強会を業務時間内に設定しています。
例えば、昼休憩を利用したランチミーティングの実施や、午前中の診療時間を調整して会議時間を確保するなどの工夫をしているのです。
また、カンファレンスは週の特定の日時に固定し、その時間帯には患者様の予約を入れないようにスケジュール管理をしています。
勉強会についても、月に1回程度、午後の診療時間を短縮して実施するなど、計画的な時間確保をしているのが特徴です。
さらに、オンラインツールを活用することで、移動時間を省き、より効率的な会議運営を実現している職場もあります。
私の前の職場も多職種カンファレンスの時間は、週に1度特定の時間に確保されていました。
あらかじめスケジュールに組み込まれていると、時間管理がしやすいですよね。
通所系・訪問系の職場である
通所系・訪問系のリハビリテーション施設は、病院と比較して残業が少ない傾向にあります。
これは、サービス提供時間が明確に定められており、予定外の対応が比較的少ないためです。
通所リハビリ(デイケア)では、営業時間が固定されており、その時間内でサービスが完結します。
また、訪問リハビリでは、あらかじめ1日の訪問件数が決められており、計画的な時間管理が可能です。
さらに、緊急対応の必要性が低く、夜間の呼び出しもほとんどありません。
書類作成も、訪問の間の移動時間や利用者の休憩時間を利用して実施でき、時間内に業務を終えやすい環境となっています。
私は元々病院勤務でしたが、デイケアへヘルプに行った際は、残業をしているスタッフがほとんどいませんでした。
作業療法士の残業を減らす方法
最後に、作業療法士の残業を減らす方法を解説します。
- 業務が効率化できないか考える
- 活動の場を変える
- 作業療法士以外の仕事に転職する
現在の残業時間を減らしたい方は、ぜひ参考にしてください。
業務が効率化できないか考える
残業時間を減らしたい方は、業務が効率化できないか考えましょう。
電子カルテを使用している職場なら、事前にカルテ入力用のテンプレートを活用するのがおすすめです。
また、業務に必要な情報は、作業療法士全員がすぐに見れる状態を作りましょう。
そうすることで、情報共有の手間が省け、残業時間を減らすことに繋がります。
活動の場を変える
活動の場を変えると、残業時間が少なくなるかもしれません。
具体的に、作業療法士が活躍できる場所を紹介します。
分野 | 場所 |
---|---|
医療 | 総合病院、リハビリテーション病院、精神科病院、クリニックなど |
介護 | デイケア、デイサービス、介護老人保健施設、訪問リハビリテーション、訪問看護ステーションなど |
福祉 | 放課後等デイサービス、児童発達支援センター、就労移行支援事業所、生活介護事業所など |
保健 | 地域包括支援センター、保健所、精神保健福祉センター、地方自治体など |
教育 | 特別支援学校、教育委員会など |
労働 | ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、地方自治体など |
司法 | 刑務所、医療刑務所、保護観察所など |
先述した通り、通所系・訪問系の職場は残業時間が少ない傾向にあります。
現在「残業時間を減らしたい」と思っている方は、活動の場を変えることもおすすめです。
作業療法士以外の仕事に転職する
思い切って、作業療法士以外の仕事に転職するのも、残業時間を減らす一つの方法です。
作業療法士の資格が活かせる仕事を、以下にまとめました。
- 医療事務
- 医療秘書
- 健診センターの受付
- 発達障害児施設の児童指導員
- リハビリ職向けのセミナー講師
- パーソナルジムのトレーナー
- 医療系のWEBライター
作業療法士は資格の更新がないため、一度他の仕事へ転職しても、再び作業療法士として働けます。
まとめ
本記事では、作業療法士の平均残業時間と残業が少ない職場の特徴、残業を減らす方法について解説しました。
作業療法士の1ヶ月あたりの平均残業時間は5時間で、他の職種よりも少ない傾向にあります。
ただし、申請していない残業がある作業療法士もいるでしょう。
また、残業が少ない職場の特徴は以下の通りです。
・書類作成の時間が確保されている
・業務中に会議や勉強会を行っている
・通所系・訪問系の職場である
そして、作業療法士の残業を減らす方法は以下の通りです。
・業務が効率化できないか考える
・活動の場を変える
・作業療法士以外の仕事に転職する
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