「これから作業療法士を目指したいけど、自分が向いているかどうか分からない」と不安を抱いている方もいるでしょう。
そこで本記事では、作業療法士に向いている人・向いていない人の特徴を徹底解説します。
作業療法士の仕事内容や、やりがいも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
作業療法士に向いている人の特徴
作業療法士に向いている人の特徴は、以下の通りです。
- コミュニケーション能力が高い
- 観察力と洞察力がある
- 好奇心旺盛で遊び心がある
- 忍耐力がある
以上の特徴を兼ね備えている方は、作業療法士に向いているでしょう。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高い方は、作業療法士に向いています。
作業療法士は、患者さんやその家族、他の医療関係者と密接に関わる職種です。
高いコミュニケーション能力があれば、患者さんに適切な言葉をかけられ、不安を和らげることができるでしょう。
また、コミュニケーション能力が高ければ、医療情報を他職種へ分かりやすく説明したり、患者さんのニーズを正確に把握したりできます。
観察力と洞察力がある
作業療法士は、高い観察力と洞察力が求められます。
鋭い観察力があれば、患者さんのわずかな変化や反応を見逃さないでしょう。
また、洞察力を活かして、表面的な症状だけでなく、その背後にある原因や患者さんの生活全体を理解できます。
観察力と洞察力があれば、患者さん一人ひとりに合わせた効果的なリハビリテーションプログラムを作成し、実施することが可能です。
好奇心旺盛で遊び心がある
好奇心旺盛で遊び心がある方も、作業療法士に向いています。
好奇心旺盛な性格は、新しいリハビリテーション技術や方法を積極的に学び、取り入れることにつながるでしょう。
また、遊び心があれば、マンネリ化しがちなリハビリテーションを楽しいものに変えられます。
柔軟な発想で、患者さんの個別のニーズに合わせた独自のアプローチをすることで、患者さんのモチベーションを高め、治療効果を高められるでしょう。
忍耐力がある
作業療法士に、忍耐力は必須です。
リハビリテーションは長期にわたるプロセスであり、すぐに結果が出るとは限りません。
忍耐力があれば、焦りを感じず着実に治療を進めることができます。
また、患者さんの気分や状態の変化に対しても冷静に対応し、長期的な視点で治療計画を立てられるでしょう。
忍耐力があれば、困難な症例に直面しても、諦めずにさまざまなアプローチを試みる姿勢につながります。
作業療法士に向いていない人の特徴
続いて、作業療法士に向いていない人の特徴を解説します。
- 向上心がない
- すぐに結果を求める
- 体力がない
それでは一つずつ見ていきましょう。
向上心がない
向上心がない方は、作業療法士になっても長続きしないでしょう。
医療技術は日々進歩しており、作業療法士は常に新しい技術や治療法を学ぶ必要があります。
向上心が欠如していると、最新の知識や技術を学ぶ意欲に欠け、結果として患者さんに最適な治療を提供できない可能性があるのです。
また、自己研鑽の機会を逃すことで、専門的なスキルの向上が滞り、キャリアの成長も限られます。
さらに、患者さんの状態改善に対する熱意が不足し、リハビリテーションの効果を十分に発揮できないでしょう。
向上心の欠如は、チーム医療の中での貢献度にも影響し、他職種との協力関係を築くことが困難になるかもしれません。
その結果、職場での評価が低下し、やりがいを感じられなくなる可能性もあります。
すぐに結果を求める
リハビリテーションで、すぐに結果を求める方は、結果が出ないとすぐに挫折してしまうかもしれません。
患者さんの回復速度には個人差があり、時には予想以上に時間がかかることもあります。
すぐに結果を求める作業療法士は、患者さんの回復スピードに焦りや不安を感じ、それが態度や言動に現れてしまう可能性があるのです。
このような作業療法士の態度は、患者さんの意欲を低下させ、信頼関係を損なう原因となりかねません。
また、短期的な成果にこだわるあまり、長期的な視点で最適な治療計画を立てることが難しくなります。
さらに、すぐに結果が出ない症例に対して早々に諦めてしまい、創造的なアプローチを試みる機会を逃すでしょう。
体力がない
基本的に作業療法士は立ち仕事のため、ある程度の体力がないとすぐに疲れてしまうでしょう。
仕事中は、患者さんの体重を支えたり、移動を補助したりする場面が多くあります。
体力や筋力がないと、患者さんの安全を確保できない可能性があるのです。
また、体力不足による疲労は、ストレス耐性の低下や仕事への意欲減退にもつながり、長期的なキャリア継続を困難にするかもしれません。
作業療法士の仕事内容
ここからは、作業療法士の主な仕事内容について解説します。
- 基本的動作能力の向上
- 応用的動作能力の向上
- 社会的適応能力の向上
- その人らしさの実現
働く分野により仕事内容は多少異なりますが、基本的な考え方は同じです。
基本的動作能力の向上
作業療法士は、患者さんの運動機能、感覚・知覚、心肺機能、精神・認知機能などの基本的な動作能力の向上に取り組みます。
例えば、脳卒中後の片麻痺患者に対して、関節可動域を広げたり、筋力増強訓練をしたり、バランス能力向上のためのリハビリを実施するのです。
作業療法士は、患者さんの現在の能力を詳細に評価し、個別の目標を設定するのが仕事です。
そして、段階的なリハビリテーションプログラムを作成し、実施していきます。
定期的に患者さんの状態を評価し、必要に応じてプログラムを調整することで、効果的な能力向上を図るのです。
応用的動作能力の向上
基本的動作能力が向上してくると、作業療法士は患者さんの応用的動作能力の改善に焦点を当てます。
応用的動作能力とは、食事や入浴、着替えなど生活するために必要な動作のことです。
作業療法士は、患者さんの興味や生活スタイル、職業を考慮し、個別化された訓練プログラムを立案します。
そして、実際の環境や道具を使用したシミュレーション訓練を行い、実生活での適用を促進するのです。
また、必要に応じて、自助具の使用や環境調整も提案し、患者さんの自立度を高めます。
これらの訓練を通じて、患者さんが社会生活や職場復帰に向けて必要なスキルを獲得できるよう支援するのが作業療法士の仕事です。
社会的適応能力の向上
作業療法士は、患者さんの社会的適応能力の向上にも重点を置きます。
社会的適応能力とは、対人関係スキルやコミュニケーション能力、問題解決能力、ストレス管理能力などのことです。
例えば、精神障害を持つ患者さんに対して、社会的場面での適切な振る舞いや感情表現の方法を指導したり、グループ活動を通じて対人交流の練習をしたりします。
また、認知機能障害のある患者さんには、記憶力や注意力、実行機能の向上を目指した訓練を実施するのです。
職場や学校への復帰を目指す患者さんには、それぞれの環境に特化したソーシャルスキルトレーニングを行います。
さらに、地域社会での活動参加を促進するため、余暇活動の提案や地域資源の活用方法の指導もするのです。
これらの介入を通じて、患者さんが社会の中で自信を持って生活し、自分の役割を果たせるよう支援します。
その人らしさの実現
作業療法士の一番の目標は、患者さんがその人らしい生活を送れるようサポートすることです。
患者さんとの対話を通じて、その人の人生の目標や希望を深く理解し、それらの実現に向けた具体的な計画を立てます。
例えば、趣味活動の再開や新たな余暇の探索、意味のある社会的役割の獲得などを支援するのです。
また、環境調整や補助具の活用により、障害があっても自己表現や自己実現が可能な方法を見出します。
さらに、家族や地域社会との連携を図り、患者さんを取り巻く支援ネットワークを強化していくのです。
このように作業療法士は、患者さんが自分らしさを取り戻し、充実した人生を送れるよう、継続的にサポートしていきます。
作業療法士のやりがい
最後に、作業療法士のやりがいを解説します。
- 患者さんの回復を近くで感じられる
- 患者さん一人ひとりに合わせた治療を行える
- 自身のスキルを向上できる
仕事をしていると大変なこともありますが、もちろんやりがいも感じられます。
患者さんの回復を近くで感じられる
患者さんの回復を近くで感じられるのは、作業療法士のやりがいの一つです。
リハビリ開始当初は、病気によるショックで表情が暗かった患者さんも、リハビリを重ねていくうちに、できることが増えます。
さらに、表情も明るくなり「こころ」と「からだ」の回復を間近で感じられるのです。
患者さん一人ひとりに合わせた治療を行える
患者さん一人ひとりに合わせた治療を行えることに、やりがいを感じている作業療法士は多いです。
作業療法士は、マニュアル通りに仕事をするだけではなく、患者さんに合わせた臨機応援な対応が求められます。
オーダーメイドのリハビリテーションを行い、その効果を感じられた時は、大きなやりがいを感じるでしょう。
自身のスキルを向上できる
自身のスキルを向上できるのも、作業療法士のやりがいです。
作業療法士は、研修会や学会へ参加し最新の治療法を学ぶことで、専門家としてスキルアップできます。
成長をきっかけにキャリアアップもできるため、作業療法士として働く上でモチベーションになるでしょう。
まとめ
本記事では、作業療法士に向いている人・向いていない人の特徴を徹底解説しました。
作業療法士に向いている人の特徴は、「コミュニケーション能力が高い」「観察力と洞察力がある」「好奇心旺盛で遊び心がある」「忍耐力がある」人です。
一方、「向上心がない」「すぐに結果を求める」「体力がない」人は、途中で挫折してしまうかもしれません。
たしかに、作業療法士は大変な仕事です。
しかし、多くのやりがいも感じられるため、仕事の大変さを理解した上で作業療法士を目指してください。